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理解を深めるヒント
「費用対効果評価」や「診療ガイドライン」について、より詳しく学びたい方のための参考情報をまとめました。
基本的な用語について
ご紹介します
基本用語解説
費用対効果評価に関する用語
健康関連QOL(Health-related quality of life:HRQOL)
解説
疾患や治療が、患者の主観的な健康感(メンタルへルス、活力、痛み、など)や、毎日行っている仕事、家事、社会活動にどのようなインパクトを与えているかを定量化したものをいいます。
質調整生存年(Quality-adjusted life year:QALY)
解説
質調整生存年(QALY)は、生存年にQOL値をかけて算出される値です。QOL値は、完全に健康な状態を1、死亡を0とする数値です。「死ぬより悪い」健康状態として負の値となることもあります。
QALYを算出することにより、生存期間の長さだけではなく、QOLも考慮した治療の効果を比較できるようになります。
例えば、QOL値0.6の健康状態で2年間生存した場合、生存年は2年ですが、QOL値を考慮すると0.6 x2=1.2QALY(完全に健康な状態で1.2年生存したのと同じ価値)と計算されます。
増分費用効果比(Incremental cost-effectiveness ratio:ICER)
解説
治療法AとBについて、費用の差を効果の差で割った値を増分費用効果比(ICER)と呼びます。費用の差(分子)が小さく効果の差(分母)が大きいと、ICERの値は小さくなります。
費用効果分析(Cost-effectiveness analysis:CEA)
解説
医療技術の経済評価のうち、 QALY以外の種々のアウトカム指標(生存年、イベント回避など)を用いるものを「費用効果分析(Cost-effectiveness analysis:CEA)」と呼びます。このほかに「費用最小化分析(Cost-minimization analysis:CMA)」「費用効用分析(Cost-utility analysis:CUA)」「費用便益分析(Cost-benefit analysis:CBA)」という分析手法がありますが、広い意味では、CMAとCUAも費用効果分析に含めることがあります。
参考サイト
診療ガイドラインに関する用語
診療ガイドライン
解説
診療ガイドラインとは、科学的根拠等に基づいて最適と考えられる治療法等を提示する文書のことで、患者と医療者が治療法等を決定する際の重要な判断材料の一つとして位置付けられます。一方、法令ではないため、拘束力はなく、遵守が義務付けられているわけではありません。あくまで、患者と医療者の意思決定支援ツールになります。
Mindsでは、診療ガイドラインについて以下のように定義しています。
「健康に関する重要な課題について、医療利用者と提供者の意思決定を支援するために、システマティックレビューによりエビデンス総体を評価し、益と害のバランスを勘案して、最適と考えられる推奨を提示する文書。」
出典:「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020」(2021年3月22日発行)
EBM(Evidence-based Medicine)
解説
EBMとは、1991年に研究者であるG. H. Guyatt氏が提唱し、科学的根拠(エビデンス)を基に臨床家の専門性(熟練、技能等)、患者の希望・価値観、個々の臨床状況を考え合わせて、より良い医療を目指そうとするものです。
EBMというと科学的根拠に基づくことにフォーカスされる傾向がありますが、その基本的な考え方の要素には「患者の希望・価値観」を尊重することが中心に組み込まれています。また、EBMとともに用いられるSDM(Shared Decision Making)については、患者と医療者が対話を通して、患者本人の考え方や価値観、医学研究によるエビデンス、医療者の専門的経験を合わせて、患者自身が納得できる治療方針を決めていくことを指しています。その協働で行う意思決定に有用なツールとして診療ガイドラインがあります。
Shared Decision Making (SDM)
解説
患者さんと医療者が、対話を通して、ご本人の考え方や価値観、医学研究によるエビデンス、医療者の専門的経験を合わせて、患者さんご本人が納得できる治療方針を決めていくことです。
医学研究によるエビデンスが充実し、診療ガイドラインが整備されてきたことは大きな進歩ですが、まだ医学研究でも明らかにされていない多くの課題があります。
SDMとは、難しい課題に対して、患者と医療者が、それぞれの情報を持ち寄り、目指す目標(ゴール)を定め、協力して少しでもそれに近づける方法を探し、選んでいくことです。
クリニカルクエスチョン(Clinical Question:CQ)
解説
臨床で解決したい問題について、対象となる患者さんの情報や注目している治療方法など、疑問の構成要素を抽出し、ひとつの疑問文で表現したものを「クリニカルクエスチョン(CQ)」と呼びます。
CQは、診療ガイドラインの対象となる病気の検査や治療において重要で回答を出すべきだと考えられる課題です。たとえば、新たな臨床研究でよりよい選択肢が示された場合や、長年の慣行で複数の選択肢が並存している場合など、複数ある選択肢のうちどれが最適な選択肢となるか判断が求められるといった状況が考えられます。
推奨
解説
臨床で解決したい問題(クリニカルクエスチョン)に対して、回答の形で作成される文章を「推奨」と呼びます。
推奨とは、クリニカルクエスチョンに対して、特定の医療行為を「実施することを勧める」かどうかを示す文章で、診療ガイドラインの最も大切な部分です。
参考サイト
よくある質問
費用対効果評価に関するよくある質問
費用対効果はどのような方法で評価されるのですか
医療における費用対効果は、「増分費用効果比(Incremental cost-effectiveness ratio: ICER)」と呼ばれる指標を用います。
これは、治療法AとBについて、費用の差を効果の差で割った値です。治療法Bに比べた治療法Aの治療効果の差に対して、どの程度のお金が追加でかかるかを評価しています。
医薬品や医療機器の価格はどのように決められるのですか
医薬品や医療機器の価格は厚労省が「中央社会保険医療協議会(中医協)」での検討をもとに決めています。
価格の算定方法は「類似薬効(機能区分)比較方式」「原価計算方式」の二種類があります。前者は、既存の薬剤と新薬を比較して、効果や機能が同等な場合は同じ価格とする方法です。後者は製造原価に製造者(企業)の利益等の費用を加味して価格を決定する方法です。
なぜ費用対効果評価が必要なのですか
新しい治療法の開発・普及や高齢化などによって、医療費が増加してきています。医療費のうち、患者さんの自己負担分や保険料以外の部分は税金でまかなわれているため、金額に見合った効果があげられているのかを評価することは、今の医療制度を持続させていく上でも重要であると考えられます。
追加的有用性を示すとはどういうことですか
費用対効果評価制度において、評価の対象となる治療法は、すでに日本で利用されている治療法と比較して、治療効果がより高いかどうかという点で評価されます。これを追加的有用性の評価と呼びます。この評価によって、「比較対照となる薬剤・医療機器等と比較して効果が高い」と判断された場合、「追加的有用性が示されている」と言います。どのような評価指標を用いて追加的有用性の判断を行うかについては、評価対象となる治療方法ごとに適したものが選ばれます。
参考サイト
診療ガイドラインに関するよくある質問
診療ガイドラインとは何ですか
診療ガイドラインとは、さまざまな健康に関連した課題に対して、エビデンス(科学的根拠)などに基づいて最適と考えられる治療法等を提示する文書のことです。Mindsでは「健康に関する重要な課題について、医療利用者と提供者の意思決定を支援するために、システマティックレビューによりエビデンス総体を評価し、益と害のバランスを勘案して、最適と考えられる推奨を提示する文書。」と定義しています。
エビデンスとは何ですか
保健・医療で用いる場合には、しばしば「根拠」として訳され、試験や調査などの研究結果から導かれた、科学的な裏付けを意味します。たとえば、ある治療法や治療薬に効果があるかどうか研究した場合に得られた結果を、その効果に関するエビデンスと言います。
誰が診療ガイドラインを作成するのですか
診療ガイドラインは、対象となる疾患の専門医、プライマリケア医、看護師、薬剤師等の医療職だけでなく、診療ガイドライン作成方法の専門家、文献検索や疫学・統計学、 医療経済学の専門家、法律家、患者・市民等により構成され、性別、地域、経済的および学術的な利害関係に配慮した多様なメンバーが参加している作成グループによって作成することが望ましいとされています。
システマティックレビュー(SR)とは何ですか
「クリニカルクエスチョン」に対する「推奨」を作成する際、その時点で存在するエビデンスを慎重に検討する必要があります。そのために、研究論文を広く調査し、複数の研究を選んで類似したものをまとめ、偏りの程度を評価しながら結果を分析して、まとめます。この一連の流れをシステマティックレビューと呼びます。まとめた結果のことを指す場合もあります。
参考サイト
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