本サイトについて

このウェブサイトは、「費用対効果評価と診療ガイドラインのあり方に関する調査委託事業」により作成され、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センターが運営しています。医療の専門家だけではなく、患者さん、一般の方、マスメディアの関係者等、幅広い方に向けて、持続的でよりよい医療制度とは何なのか、どのような選択が適切なのか、などを考えるうえで役立つ情報をご紹介します。

背景と目的

日本の国民皆保険制度は、病気にかかったときに、いつでも、だれでも、限られた負担で医療を受けることができる、世界からも評価の高い制度です。しかし、近年、高齢化や非常に高額な治療法の登場などが影響して、医療にかかる費用は年々増加し続けています。この制度はみなさまから集めたお金や税金によって成り立っていますので、医療費が増加すると制度を維持するための負担も大きくなってしまいます。遠い将来まで見据え、この制度を持続するための取り組みがいま求められています。

国民皆保険制度を維持するための取り組みには様々な方法がありますが、ひとつの考え方として、効率良く医療を行おうというものがあります。例えば、効果の同じ治療法が複数あるならば、より安いものを選ぶことです。あるいは、効果がより優れているものの高価な治療法があるならば、その治療効果は今までの治療法よりどのくらい優れていて、その効果の追加分に対してより多くのお金を支払ってまで行う価値のあるものなのか考えることです。このように考えることで、医療の質を落とさないように気を付けつつ、医療の効率を上げることができるのです。

日本では、2018年度より「費用対効果評価制度」という、医療費への影響が大きい医薬品や医療機器の価格を調整するための制度が始まっています。この制度では、評価の対象となった医薬品や医療機器について、今までの治療と比較して効果があるか、あるならどの程度か、そしてどのくらいの費用がかかるのかを評価します。そして、最終的に効果に見合った費用であるかを判断し、効率が悪ければ価格を下げ、良ければ価格を上げることになります。これによって医療の質を落とさないように配慮しつつ、医療の効率を上げようとしています。

さて、この「費用対効果評価制度」での評価は、専門家を含め多くの人が関わって1年以上もかけて行われます。せっかく実施したこの評価結果をもっと活用できないかという声が出てきました。そこで、『令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子』において、「費用対効果評価を終えた医薬品、医療機器等の評価結果をより活用する観点から、各学会が作成する診療ガイドライン等の検討にあたって、その評価結果等の活用のあり方を国立保健医療科学院等が検討を行うこと」とされました。「診療ガイドライン」とは、さまざまな健康に関連した課題に対して、エビデンス(科学的根拠)などに基づいて最適と考えられる治療法等を提示するための文書です。患者さんと医療関係者が、治療内容について考えることを支援するために作成されています。つまり、「費用対効果評価制度」で評価した結果を、診療ガイドラインなど臨床現場での活用方法を考えましょうという活動がはじまっています。当サイトでは、この活動の成果を公表するだけでなく、「費用対効果評価」と「診療ガイドライン」についてわかりやすく説明し、これらがどのように関連するかについてもご紹介します。

これまでの取り組み

国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター(C2H)は、令和7年度より費用対効果評価の結果を医療現場へ展開するための委託事業を行っています。
これらの調査研究事業は、費用対効果評価に関する研究成果を周知し、よりよい医療制度のために活用できる土壌を醸成することを目的としています。